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お寺ネット:仏事相談室
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[5715]Re:神社とお寺の..
..一求道者
待ってもなかなか僧侶からの回答がないので、
あくまでも私個人の理解として説明させて頂きます
(後程、僧侶やその他の方からのご意見やアドバイスがあった場合には、
それらも参考にした上でご自身でご判断ください)。
とにかく最終的には、
あなたのご主人が理解を示されるかどうかなのですが...。
まず、基本的な考え方として、
真実にして、大自然の創造神とか森羅万象を司るような神だとか、そしてまた、悟りを開かれた如来(仏ホトケ)や諸仏の化身といったような境地の存在であれば、「わたしの方が上位だからおまえは下がっていろ!」などと、“我こそは”と言って威張り散らすことなどはありません。もちろん、喧嘩をすることもありません(ただし、寺院で祀られている古代インド由来の天部の神々の中にはそういった傾向を持つ存在もいるので、この場合には寺院から扱い方の指示を受けて必ずそれに従う必要があります)。
神道と仏教という二つの異なる宗教でありながら、実際、この日本においては寺院の敷地内に神社もあったし、神道の土地神が祀られたりもしました。その逆も同様で、神社の敷地内にも寺院は建てられ、神前にて読経も唱えられました。そのような神仏習合の時代が明治になるまで、実に千年以上も永い間続いてきたのがこの日本なのです。
あとは、御札に対する仏教各派の見解と実際上の祀り方ということになります。
日本の殆どの宗派では神社同様、大衆と信者を援けるべく心の拠りとなるように各御札の類を常に用意しています。それぞれの願意に応じた多種多様な種類があるので、もし必要であれば、別に幾つもの種類と枚数であっても何ら問題とはなりません。もちろん、別々の寺院と諸仏のものでも大丈夫です(大切に扱うのであればまったくの無問題です)。
尚、例外として、浄土真宗では阿弥陀仏の絶対帰依とその救済を説くので、御札や祈祷に頼る必要はないものと見なしており、また、阿弥陀仏以外の諸仏にさえ気持ちが散見しないことを理想とします。まして、神社やその他の宗教の参拝はしませんし、当然、神棚も御札も祀りません。またその他として、宗派間の不仲としては日蓮宗は真言宗を良しとは見なしていないので、日蓮宗信者が真言宗に関わることは基本的に御法度です(当然、御札についてもです)。
そして、お祀りする場所と神道仏教札の混合の扱いの是非についてです。
これは人によって見解がまったく異なるので、どれが絶対に正しいとすることはなかなか難しいものがあります。
まず、「仏教札はお仏壇に神道札は神棚へ」という見方がありますが、これだともちろん神仏混合の問題は生じないのですが、中には、「お仏壇は先祖供養の場所であってお願い事の場所ではない。従って、願意成就を目的とする御札を祀る場所としては相応しくない」という意見を説く僧侶なども実際にいます。しかしながら、お仏壇の中心というのは正しくはご先祖ではなく如来なのであって(だから、御位牌などは如来よりも下位の段にて祀られるのです)、ただ、その如来の御元でご先祖をお祀りすれば安らぎの場所としては最適という意味合いなのです。お仏壇の祀りの中心が如来であれば、当然、お願い事をしても場違いということにはならない。如来は衆生救済の為に化身や御使いによってその願いに手を差し伸べようとされるのです(これが大乗の基本教義です)。なので、願意成就の祈祷札がお仏壇に祀られていても何も問題ではありません。寧ろ、それはとても適しているともいえます。
「御札はお仏壇に祀るべきではない」という意見の方は、まずその殆どが「お願い事をする場所としては神棚が適する」と見なして仏教札も神棚へて祀るようにと言ってきます。例えば、成田山(新勝寺)の護摩札の説明にも神棚でお祀りすることを推奨するものとなっています。ただし、これは仏教僧侶側の勝手な言い分であって、神仏分離(神道と仏教は異なる宗教であるから明確に分ける)となった現代の神道側が、そのような指示を果たして快く見なしているかどうかについてはいささか疑問なところです。御札は、その御札の御霊に適した真言を唱えるとより良いとも言われています。けれども現代、神棚の前にて仏教の真言などを唱える祀り方をした際に、果たして、神道側から見るとそれはどのように映るでしょうか? (例えば、不動明王の願意札は不動明王の真言を唱えるなど) つまり、神棚にて仏教の寺院札をお祀りするのは昔の古いやり方であって、とても現代には相応しくはありません。
要するに、私の個人的な見解としては、
別に喧嘩の心配は要らないけれども、ただ祀り方のマナーとして神道札と仏教札は別々の異なる場所であること。
神道札は神棚で、もしもなければどこか清浄な高い場所にてお祀りし、
仏教札はお仏壇があればそこでもまったく問題なし。もちろん、お仏壇以外の清浄で高い場所にて祀られてもいい。
また、各種の異なる祈願札や別々の寺院札同士を複数祀られても無問題です
(尚、神格仏格の違いが明確な場合には、御札の並べ方としては最上位が真中で次に向かって最右側を上位として祀る。
重ね方としては、手前から最上位の順番ですが、重ねないで済む場合には並べる方がより賢明です)。
それから、御札を見えない形でお祀りしても特に問題とはなりませんが、
もちろん、できることであればよく見える場所にてお祀りし、
日々、事あるごとにその御札を見たり、ご挨拶できるならばより理想的です。
〜以上、ご参考までに
..2021/10/25(月) 04:16
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